気密と断熱。
どちらも重要ですが、築古戸建の我が家はどちらもヒドいものです。
家を暖かくするために様々なDIYを行ってきましたが、体感としては気密性を高めると暖房の効きが大きく改善されます。
閉じられた空間でないと温めた空気が外気とどんどん入れ替るので当然ですね。
今回は気密性を上げるべく、コンセントから流入する外気を止めてみます。
※作業には電気工事士が必要です
コンセントは外とつながっている!?
そうなんです。
実は、築古の住宅はコンセントボックスの穴は外と直結しています。
壁の中は床下と小屋裏に開放されていて、家の中を冷気が突き抜けています。
そこに穴を開けて作られるコンセントや照明スイッチは、しっかり処理しないと外気の入口になってしまいます。
折角暖房した室内空気を外に捨ててしまっているわけです。
近年の真っ当に作られた住宅やツーバイフォーの住宅は気流止めされているので、コンセントからそのまま外気は入ってきませんが、それでもコンセントは気密部材で囲う施工がされます。
あとから壁内の気流を止めるのは、天井側は可能ですが床下からは難易度が非常に高いです。
後付の防気カバーを取付ける
ということで、コンセント類からの外気の流入をあとからでも塞ぐことが出来るパナソニックの防気カバーを使って気密性を高めてみました。
防気カバーはコンセント形状に合わせて用意されています。
コンセント一個用。
コンセント2個用。コンセントボックス内で渡り配線をしているようなタイプはこちら。
コンセント2個、セパレータ型。
2連のコンセントボックス内でセパレータで分けられている、アンテナジャックとコンセントが並んでいるタイプはこちら。
3連もあります。
安いですね!これで気密性が向上するなら儲けもんです。
コスモシリーズワイド21シリーズ、アドバンスシリーズ、フルカラーシリーズで使用出来ますが、アドバンスシリーズのスイッチは不可のようです。
確かにアドバンスシリーズのスイッチだけは異常に納まりが悪かったので無理やり突っ込みました。
ちなみに、後付のコンセントボックスを使っている場合は、深型でないと奥行が足らずしっくり行きません。
コンセントに防気カバーを取付ける
まずは必ずブレーカーを落とします。検電もしましょう。
コンセントをバラします。
銅線を抜きます。
防気カバーに銅線を挿します。
銅線を挿してもとに戻します。
コンセントの2連ボックスの場合
2連コンセントの場合は間仕切りのない防気カバーを取付けます。
コンセントボックス内で渡り配線があるため、中央で分割されているタイプの場合、渡り配線を中央でぶっ挿さないといけなくなるからです。
あとは防気カバーに線を挿してもとに戻すだけです。
コンセント+アンテナジャックの2連ボックスの場合
コンセントとアンテナジャックやLANジャックは内線規程でコンセントボックス内で間に隔壁を作る必要があります。
なので、防気カバーもセパレータ用のものを使います。
インターホンにも防気カバー
インターホンも壁内の冷気を取り込む原因です。
サーモグラフィでの画像ではこんな感じです。
冷気が垂れ下がってます。
ということで離線します。
防気カバーを壁と取付枠で挟みます。
あとは戻すだけ。
インターホンはとくに隙間が大きいので改善が一目で分かります。
(レンジ設定出来ない安物サーモなので分かり辛いですが、垂れてる冷気が無くなりました)
光コンセントも防気カバー
当然光コンセントにもカバーは付いているわけもなく。
取り付けます。
切込みが大きくなってしまったので、気密テープで余計な穴は塞いで戻します。
光コンセントのプラグは引抜くことが出来ないタイプもあるようなので、取れない場合はカバーをカットして気密テープでくっつけるのが良いと思います。
ガスコンセントはグラスウールで閉鎖
プロパンガス用のガスコンセント。
我が家では都市ガスに切り替えたので無用の長物です。
ここからは恐ろしく冷気を感じます。
奥の方に念入りにグラスウールを突っ込みます。
グラスウールで埋めます。
気密テープで塞ぎます。
ここまでやった結果のサーモグラフィがこちらです。
まるで熱源のように温度が上がりました。
気密性の向上は小さな作業の積み重ね
築古の住宅は隙間だらけです。
小さな隙間を少しづつ改善することで気密性も向上していきます。
少しづつですが。
自分もまだまだ断熱気密の道半ばですが、我が家では少しづつ暖房費が少なくなってきています。
こちらは暖房で使うガス使用量の推移です。
調理器具と風呂もガスなので、暖房分が大きく減っていることが分かります。
防気カバーは安いので費用対効果は抜群ですね。
和室がある場合は、畳を上げるととんでもない隙間が開いているかもしれません。
こちらもご参考頂ければ幸いです。
以上、『コンセントからの気流を塞ぐ。家の気密を上げるDIY。』でした。