大人になってからバイオリンを始めようと考えている方がまず悩むのが、最初のバイオリン選びかと思います。
バイオリンは価格帯の幅が大き過ぎて、どの程度のランクのバイオリンから始めるべきかが分かりにくいですね。
下は1万円台から上は16億円。
恐ろしい幅です。
はっきり言ってしまうと、1万円から5万円の価格帯のバイオリンはオモチャです。
どれを選んでも大差無いと考えて良いと思います。
何故ならそんな値段で真っ当なバイオリンを作る事は出来ないから。
バイオリンの材料であるカエデ材やスプルースを揃えるだけで3万円程度は掛かるので、初心者用の激安バイオリンは、バイオリンの基準とは違う材料をプレスして形を作った、バイオリンの形をしたバイオリンとは別物と考えた方が良いと思います。
例えばバイオリン職人がバイオリンを一本制作するのに必要な時間は250時間程度と言われています。
丸々1ヶ月間は一本のバイオリンに専念する必要があり、そのバイオリンを5万円程度で販売出来る訳がありませんね。
これからバイオリンを始める方に、僕が個人的にオススメするバイオリンは『ヤマハV10G』です。
ヤマハ公式ホームページでの希望小売価格は11万9千円ですが、アマゾンだとかなり安く購入出来ます。
何故ヤマハかと言えば、企業の信頼性。
ヤマハが適当な製品を作るわけありません。
ヤマハのバイオリンへの情熱の凄さは後述させて頂きます。
当然ですが、実物の音色も素晴らしいです。
謎の外人さんが弾いている動画をご覧下さい。
(この外人さんちょっとだけピッチがズレているかも。ピッチが合ってればもっときれいに聞こえるかと思います。)
『ヤマハV10G』は、ヤマハのバイオリンの中では一番下のランクです。
その上にはヤマハV20G、ヤマハV25GA、YVN500Sとランクが別れています。
(下のランクにV5SC、V7SGというモデルもあるが、それは一応ジュニアモデルの位置付け)
フルセットも購入できるのでこちらの方がオススメかもしれません。
公式だと16万円なので、アマゾンだと相当お得ですね。
付属の弓はキッチリとフェルナンブーコ材のものです。
(安物だとブラジルウッド。フェルナンブーコ以上の弓の材料は存在しない)
弦は初期装備でドミナントが装着されています。
E線だけは好みで替えても良いかもしれません。
ヤマハV10Gは手工製品
入念な手作業による手工製品です。
すみずみまで妥協することなく手作業で仕上げた、手工バイオリンです。コストパフォーマンスの高い、安心と信頼のヤマハオリジナルバイオリンです。
(ヤマハ公式ホームページより)
ヤマハ製の手工製品がこの価格というのは驚きのコストパフォーマンスです。
使用している材料も、表板はスプルース、裏板側板はメープル、指板はエボニー。と、伝統的なバイオリンの材料を使用しています。10万円を切る意味が分からないレベル。
製作者の分からない20、30万円程度のオールド品を買うのなら、僕はヤマハの新作のヤマハV10Gを選びます。
バイオリンをいくら練習しても上達しない理由。大人でも上達する人が実践する上達の近道とは。
ヤマハのバイオリンの材料へのこだわりがすごい
以前NHKのストラディバリ特集の中で、ヤマハのバイオリン製作が取材されていました。
ストラディバリに使われている材料を再現するため、巨大な圧力装置を作り、木材を変質させている内容でした。
恐らくその材料は、最高位のYVN500Sに使用されているのかと思いますが、ヤマハのバイオリンに対する情熱の凄さと、大企業ヤマハの圧倒的な資金力には脱帽です。
厳格な材料管理は以下の公式ページでも見て取れます。
ヤマハのバイオリンは製品検査をプロのバイオリニストが行う
ヤマハでは出荷前の全てのバイオリンをプロのバイオリニストが実演奏して行っています。
すごいプロフェッショナリズム。
ヤマハV10Gのまとめ
3,4万円出してオモチャのようなバイオリンを買うのか、9万円で信頼できる、愛情を持てるバイオリンを手に入れるのか。
これからバイオリンを始める方は断然後者にするべきです。
バイオリンが上達してくると、
「あれ、ワイのバイオリンってこんな素敵な音も出してくれるんかい。」
みたいな瞬間があります。
安物のオモチャのようなバイオリンはそのような反応を返してくれません。
これからバイオリンを始める方全てにヤマハのヤマハV10Gがベストとは思いませんが、是非とも愛情を持てる素敵なバイオリンからバイオリニスト生活を始められる事を願います。
最後の最後に本音を言えば、お金に余裕のある方は、ヤマハV20Gからスタート頂く方が、更なる良好なバイオリン生活を送れるのではないかと存じます。
以上、『バイオリンを大人から始める方にオススメのバイオリン「ヤマハV10G」』ですた。