バイオリンがいくら練習してもイマイチ上達しない。
毎日何時間も練習してるのに。
奮発して高いバイオリンを買ったのに。
大人になってバイオリンを始めた方にはこんな気持ちの方は多いかもしれません。
「バイオリンが悪いのかしらん?」
そんなことはないでしょう。
今使ってるバイオリンをバイオリンの先生に弾いてもらえば分かります。
先生が弾いたら悲しくなるほどいい音が響く事でしょう。
上達しない原因はきっと練習時間ではなく、練習方法。
悲しいかな、なんとなく長時間練習していても、バイオリンの実力は殆ど上達しません。
大事なのは、上達する為の練習をすること。
ポイントをおさえた練習をしなければ今の実力の場所で足踏みしているだけです。
せっかくバイオリンをはじめたのであれば、正しい練習方法を身につけましょう!
最初のうちは、曲を楽しむよりも、上達を楽しみましょう!

バイオリンは基礎が一番大事!初心者の自己流は絶対辞めましょう。
バイオリンには300年の長い歴史があります。
同様に、バイオリンの練習法、上達法にも長い歴史がある訳です。
バイオリンの先生は自分が上達した経験を元に、上達するための近道を教えてくれます。
先生に「こうやって弾こう」と指導されたら絶対に言うことを聞きましょう。
「先生のやり方よりこっちの方が弾きやすい」と自己流で練習すると、絶対に上達しません。
やりたいことをやらせてくれる先生。基礎ばかり繰り返しやらされる先生。
場合にもよりますが、本当に生徒思いなのは基礎を繰り返し指導してくれる先生なのだと思います。
『何を弾くか』ではなく、『どう弾くか』が重要。
大人の初心者のかたほど「あの曲が弾いてみたい。だからバイオリンを始めた。」という、高い理想を持って練習されている方が多いかと思います。
弾きたい曲を無理して指で追ってぎこちない音を出しながら、「なんとか弾けたわやったぜ」なんて練習をしているとしたら、それはあまり意味のない練習になっているかもしれません。
それは自己満足であって(趣味なので否定はしませんが)上達のための練習にはなってない場合が多いです。
難曲を練習する前にキラキラ星はちゃんと弾けるようになっていますか?
- 正しい持ち方で
- テンポがぶれず
- 音程は外さず
- 弓は垂直に、アップダウンも弓が詰まらずに
- バイオリンがちゃんと響いているのか
ただ単に指で追えたというだけでは弾けた事になりません。
キラキラ星でなくても良いのですが、最初の曲をキチンと『曲として弾ける』状態まで練習を重ねる事こそが上達の近道です。
初心者用の練習曲は難易度が低いので、バイオリンの先生と変わらないくらい美しく曲を奏でることも練習次第では可能でしょう。
『どんな曲が弾けるか』はバイオリンの上手さには余り関係ありません。
特に初心者は。
どんな曲であっても、キラキラ星であっても、美しい曲として奏でる事が出来ることが『上手い』と言えると思います。
ギコギコと一音づつ音を探しながら弾くチゴイネルワイゼンは騒音でしかないでしょう。
どんどん教本を進めるのではなく、一曲づつキチンと弾くために必要な、正確な運指の訓練、弓の訓練を行いましょう。
正確な運指の訓練にはセヴシックがオススメです。(シェフチークとも呼ばれます)
簡単な曲であっても、一曲がキチンと完成されていれば、次の曲では前の曲より一個テクニックが増えただけ。
最初の曲でキチンと練習して正確な音程や弓の運動を身につけていれば、次の曲は『弾ける』状態にするための練習時間はグッと短くなるはずです。
正しいバイオリンの持ち方をしてますか?
バイオリンは初めて持った人にとっては意味不明なほど持ちづらい楽器です。
横向きのバイオリンを首に挟むんでっか!?
横向きのバイオリンに垂直に弓を上げ下げするんでっか!?
最初そうは思うことでしょう。
安心して下さい。正しい持ち方が身体に染み付くと、それが当たり前で楽勝になります。
ただし、このバイオリンを持つところから自己流で始めてしまうともうアウトです。
上達する望みはありません。
最初が肝心です。バイオリンは最初は必ず教室で習いましょう。
左手首は曲がってないか。指の位置は正しい位置にあるか。
左手首は必ず真っ直ぐです。
弾きづらいから手首が外側に曲がり、バイオリンのネックに添ってしまって何度も指導されると思いますが頑張りましょう。
手首が曲がったまま弾いてるプロのバイオリニストは一人もいないはずです。
左手の指は正しいポジションにあるかも確認しましょう。
ネックと比べて指の付け根が下過ぎると、指を立てて弾けない、全体に指が届かずベタ指になるなどの支障がでます。
親指の位置も正しい位置に配置しましょう。
五嶋龍さんの構えなんかは非常にキレイで参考になります。
マッチョ過ぎますが。
右手の指は正しい位置にあるか
右手首は柔軟に。自由自在に弓運びが出来るように正しいポジションを身に付けましょう。
小指は弓の微妙な動きを操作する重要な役目があります。
中指と親指で挟んだ場所が弓の軸になり、人差し指を下に下ろせば弓も下におりる。
小指を下に下ろせば弓の先端は上がるイメージです。
小指をピンと真っ直ぐにしがちですが、小指は自然に丸く、自由にクイクイ動かせる状態で弾きましょう。
弓のボウイング
バイオリンの音色は弓運びで決まります。
最初は弦に対して垂直に動かすことは難しいかもしれませんが当たり前に出来るように鍛練しましょう。
「弓を垂直に動かす」というイメージより、「弦と弓は垂直に交わる」という意識で、腕の動きに気を取られないで、弦と弓の接触部に集中する方が、常に真っ直ぐに下ろす弓の動きが身に付きやすいと思います。
チューニングはしっかり出来てますか?
チューニングは完璧にしましょう。
チューニング出来てないと音が全然響かない上、間違った指の位置で練習する事になります。
正確なチューニングがされた上で正確な音程が出る場所を押さえる訓練をすることが上達のための練習になります。
初心者は特に、ピアノ等で音を合わせるよりも専用のチューナーで合わせて開放弦の音を身体に染み込ませましょう。
バイオリン専用の、ネックに付けられるタイプはスゲい便利です。これはメトロノームまで付いてます。
バイオリンは442Hzでチューニングしましょう。
バイオリンの弦も初心者であれ、全うなものを選ばないとバイオリンの良さを引き出せません。
バイオリンの弦はどれを選べばいい?初心者へもオススメの弦のご紹介。
ピッチ(音程)はちゃんと取れていますか?
バイオリンの楽しみはやはり曲を弾きこなすことだと思います。
が、初心者が曲の練習ばかりしていても、演奏能力の向上には繋がりにくいのも現実です。
運指のトレーニングをして、ピッチ(音程)を外さないようにしなければ美しい音色は出せません。
僕はセヴシックという教本のフレーズの練習をオススメしますが、セヴシックのopus1のpart1の1ページ目を30分練習してから曲の練習に入ってみると、不思議なくらいピッチが取れてスムーズに指が動くことに驚くと思います。
セヴシックは左手の運指練習用、ボーイング練習用、ポジション移動練習用等、目的別に本が別れているので、上達したい目標の本を一冊づつ買っていくのがいいでしょう。
まずはopus1のpart1から。ファーストポジションの音程を確実にするための訓練の本です。
この本をしっかり練習すると、別のポジションでも音程が取りやすくなります。
甲羅を下ろした瞬間、「あれっ。体が軽えぞー!」みたいな感覚で、「あれっ。正しい位置に指が勝手に動いてキレイな音が響くぞー!」みたいな感じ。
亀仙人のもとで基礎のレベルアップの修行をしている気持ちで練習してみましょう。
ちゃんとしたバイオリンを使っているか。
初心者だからといって、アマゾンでフルセット1万円のオモチャのバイオリンを使って練習してませんか?
真っ当な、正しく作られたバイオリンでないと、実力に相応した音色は返してくれません。
僕は個人的にはヤマハV10Gからスタートする事をオススメしています。
ヤマハの驚愕のコストパフォーマンスの製品です。
ヤマハ製の手工品で、きっちり伝統的な材料を使い、出荷前にはプロの演奏家が試奏までする力の入れようです。
アマゾンでは10万円を切っています。ありがたい話です。
バイオリンを大人から始める方にオススメのバイオリン『ヤマハV10G』
でも本当はヤマハV20Gのランク位が長年使い続けるにはコスパが良いかもしれません。
自分も適当にバイオリンを練習して無駄な時間を過ごしていました
僕は小さい頃親に無理矢理やらされていて中学に入った頃に離脱しました。
基本的にバイオリンが全く弾けない母親に指導されていた為(謎。先生にも習ってた時期も少しあります。)、元々がヘタクソだったのですが、大人になって再開しました。
再開してから、なんとなく昔練習した曲やPOPソングを弾いてみたり、それなりに練習してみたものの、全然上達しない。
当時は自分では曲が一通り弾けて、上手くなってきたと思ってたのですが。今思えば酷いものでした。
謎のアメリカ人バイオリニストとの出会い
25才頃の話。
母親が何故かアメリカ人のバイオリンの先生のもとでバイオリンを習い始め、一度無理矢理一緒に連れて行かれました。
その先生がCDも出してたりする中々凄い先生だった訳です。
僕が弾き始めると、嵐のような指導が。
「ノー。バイオリニストはこう弾く!」と、右手の手首の角度、親指、人差し指、中指、薬指、小指、左手の手首、親指、人差し指、中指、薬指、小指を修正されました。
そう、はっきり言って全部。
僕は20年近く間違った練習をしていたのです。無念。
極度の人見知りの僕は二度とその先生に教えてもらいには行きませんでしたが(実家を離れていたからです)、その一度の指導でバイオリンの腕は劇的に向上しました。
正しい手のポジションを身体に染み付かせることで、いい音を出すのが楽になり、正しい音程が出せるようになりました。
その先生にはセブシックを練習するようにも指導されましたが、基礎の重要さを思い知った出来事でした。
大人から始めてもバイオリンは絶対に上達する
練習をすれば誰しも絶対に上達します。
が、練習のやり方、上達のコツへの気付きで上達の速度や到達点は左右はされてしまいます。
大人から始めて2年間でどれほど上達できるのか、勇気をもらえる動画を見つけたので貼っておきます。
2年でここまで上達するんですね!驚きです。
バイオリン上達のまとめ
バイオリンは曲が綺麗に弾けるまでが中々長い道のりです。
上達する近道は基礎アンド基礎アンド基礎です。
一曲をキレイに弾く事は、音符一個づつを丁寧に正しい音程で正しいボーイングで鳴らしていく連続なのです。
今まで上に挙げた事をないがしろにしてきたのであれば、そこを意識するだけでいい音を鳴らすことが出来るはずです。
頑張りましょう!
バイオリンを大人から始める方にオススメのバイオリン『ヤマハV10G』
以上、『バイオリンをいくら練習しても上達しない理由。大人でも上達する人が実践する上達の近道とは?』でした。