中古住宅の玄関床を張り替えました。
張り替えと言っても重ね張りなので、もとの床の上に張り付けです。
玄関は出入り口が多く、加工がナカナカに大変です。
長方形の部屋の5倍位は時間が掛かると思います。
一枚一枚が加工が必要になったり、ハメるのにテクニックが必要です。
10枚のフローリング材を使いましたが、加工なしで使えたのは1枚だけ。
玄関フローリング張替に必要な工具
•丸のこ
やはり直線をカットするのに丸のこは欠かせない。
当然手のこよりも精度高くカット出来ます。
•丸のこ定規
フローリングのDIYには欠かせない丸のこガイド。
必ず直角にカット出来る信頼のシンワ測定。
•レザーソー
薄刃の細工ノコ。
精度高くカット出来るので超オススメ。
•床職人
フローリングの接着のド定番。フローリングは木工用ボンドを使ってはいけない。
•フローリング用の釘
釘打ち機なぞ買えるわけもなく。
トンカチでフローリングを固定する専用釘。
•下穴錐
釘打ち前の下穴用。普通のドリルでも問題なし。
•ポンチ
釘を奥まで打ち込む用。
•ウェス
頑丈な紙ウェス。
DIYにはこれがなくちゃ始まらない。
アマゾンだと高いのでホームセンターかコストコが良い。
•カンナ
微調整が必要な場合に使用します。
リフォーム前の玄関
一昔前に流行った、ウォルナット調の暗い玄関です。
この短い廊下に出入り口が4つ。
更に階段、玄関框との繋がりがあります。
大変そうなので後回しにしていたこの区画をキレイにします。
床材は東洋テックスの『ダイヤモンドフロアー』を使用。
無垢材のフローリングの方がオススメです。
スタートは玄関框から施工しております。
巾木の撤去
まずは巾木を外します。
フィニッシュネイルと木工用ボンドで取付されていると思いますので、スクレーパーのようなもので外します。
巾木は掃除機のヘッドが当たっても壁が傷付かないように付けるものですが、床と壁の接合部分を隠す、見切材のような役目もあります。
最後に新しい巾木を取り付けて、重ね張りした床と壁の隙間を隠します。
隙間は巾木の厚み以下になるように気を付けます。
和室入口とフローリングの納まり
通常の住居は床勝ちで施工されるのが通常です。
床が先に施工され、床の上に壁等がのります。
壁勝ちは先に壁を作り、壁に床をドン付けするわけです。
床勝ちの方が見た目が良く、変なところにホコリが溜まらないのですね。
が、リフォームでフローリングを重ね張りする場合、既に固定された敷居(和室入口の木材)にドン付けするしか方法がありません。
しかしそれでは床材の切口も見えてしまいます。
ということで、柱等にフローリングを付ける際に使われる『首切』という方法でキレイに納めたいと思います。
フローリングの厚み分をノミで彫っていきます。
ちなみに、首切というのは柱に溝を彫るからで、敷居を削るのは首切とは言わない気がします。
「しゃくる」とか言うらしい。
長時間辛い体勢で頑張りました。
12mm程彫りましたがもうくじけそう。
が、この溝にフローリングを挿して、とても納まりがキレイになりました。
その他にも床勝ちに見えるように邪魔な部分を加工していきます。
額縁はカットし辛いです。
玄関フローリングの一枚目
フローリングの完成度はフローリング一列目の完成度にかかっています。
一列目で歪むと最後まで歪むからです。
キレイに納めるために細工ノコやカンナを使って細かく合わせていきます。
長さは丸のこガイドでカット。
逆にするとフローリング表面がバキバキになります。
リビングは購入時に高さ15mmの無垢フローリングを使ったので高さが合いません。悲しい。
加工が終わったら床職人を塗布。
壁側の凸凹にキレイに納まりつつ、フローリング材の縦の繋がりは真っ直ぐにするのはナカナカ大変。
一列目さえしっかり出来れば2列目以降は少し楽になります。
フローリングの釘固定
接着剤を塗ったら釘固定です。
一枚目は壁側の巾木で隠れる部分へ釘を打って固定。
以降はメザネの溝に釘を打ち込んでいきます。
ある程度トンカチで打ち込み、最後はポンチを使って打ち込みます。
次のフローリングが溝にしっかりハマるように、釘はキッチリ打ち込みます。
根太に釘を打てると床鳴りの心配が無くなります。
トンカチで床を軽く叩くと、場所により『コンコンコン』と『カンカンカン』と音が変わります。
床下の根太がある部分は『カンカンカン』となる部分です。
玄関框とフローリングの納まり
我が家はなんと玄関框がナナメという、DIY泣かせの造り。
玄関框とフローリングをピッチリ合わせないといけない。
隙間が空こうものなら、「あら、ご主人DIYがご趣味なのかしら?」なんて思われてしまう。
DIYは趣味ではない。
DIYは人生だ。
仕上がりに素人感が出てしまってはならないのだ。
2列目から斜めの部分が現れます。
微小の隙間も許さない覚悟でカンナで調整。
框と合わせる部分は釘が打てないので接着剤を多めに塗布する。
次の3列目が大本命。
チョコチョコ削っては仮合わせを繰り返し、納得のいく精度に仕上がった気がする。
3列目のフローリングの張り付け
和室敷居と同様に、フローリングの縦の終わり部分もしゃくってフローリングを挿し込んでいるため、普通にはハメられません。
ここは縦に2枚のフローリングを並べるのですが、シャクった部分にハメながら、斜めにカットしたフローリングをサネにハメる必要があります。
壁側の敷居はかなり深めにシャクっておきます。
石膏ボードに当たる部分もフローリングが挿せるようにカット。
そして、まずは2枚分床職人を塗布。
シャクった部分に床材を挿す。
もう一枚の斜めにカットした部分のメザネとオザネも軽くハメる。
中央で持ち上げて、空中でサネを合わせてから下ろします。
下ろしたら、板間に隙間が生まれますが、接着剤が固まってないので足でドスドス押して隙間を埋めてしまいます。
一旦深く彫った溝の奥に入れて、戻してサネを合わせることを『やり送り』といいます。
やり送りで深く溝に突っ込んでから隙間を埋めるために引っ張り出すので、それなりに深い溝でないとシャクった部分からフローリングの端が出てきてしまいます。
階段部分のフローリング加工
階段部分の床は少々難易度が高い。
精度高くカットしたフローリング材をサネが合うようにセットします。
サイズの精度が問題なければ、そのままドンっと踏みます。
我ながら感動するレベルでハマりました。
隙間が空いてしまった場合は、「ぞうきん絞り」という巾木のような部材を取り付けて隠しましょう。
トイレの入口段差との繋がり
玄関のフローリングはトイレの入口まで繋がります。
我が家のトイレは結構な段差がありますが、入口は玄関框に使用したリフォーム框の余りでキレイにします。
まずは既存の入口床材を撤去。
トイレのドアも交換するので一緒にカット。
トイレのドアをキレイに納めるために少しフローリングを延ばします。
微調整して高さを合わせた下地をビス固定。
リフォーム框を加工。
接着剤で貼り付け。
新しいドア枠で隠れる部分にビスを2本ほど打っておきました。
細かいフローリングの加工
壁や入口の部分の細かい加工をしていきます。
本来であれば、最後にこんな細い材が出来ないように最初に割付を考えるべきなのですが。
巾木の取付
本職の方は、ボンドとフィニッシュネイルでドスドス固定していくものですが、フィニッシュネイルを打つ機械など持っていないので、隠し釘を打っていきます。
青いプラの部分は切り欠きされていて、最後まで打ち込むと切り欠き部分が露出します。
ボンドが固まったら頭を横から叩くとポロっととれます。
玄関フローリングの完成
いかがでしょうか。
我ながら非常に完成度が高い仕上がりになった気がします。
玄関フローリングは非常に細かい作業の連続で、非常に進みが遅くとてもしんどかったリフォームでした。
その後、トイレのドアも交換して玄関だけ新築のように生まれ変わりました。
トイレ脇の階段の笠木もダイノックシートを貼ってキレイにしました。
以上、『玄関床のリフォーム。玄関はフローリング加工の難易度が高い。』でした。