電気の資格の中では難易度の高い試験である電験。
電験の中では一番易しいはずの電験三種であってもなかなかに難易度は高いです。
僕は転職を機に2年かけて取得しました。
初年度は理論。次年度は電力、機械、法規の3科目に合格しました。
僕が合格の為にどのように勉強を進めていったのか、失敗談も交えてご紹介させて頂きます。
電験3種の勉強に使用した参考書
初年度の参考書選びの失敗
初年度は芸人からの転職が決まり、入社までの1ヵ月程の期間に試験があり、念のため事前に試験に申し込んでいたので、一冊に4科目が集約された参考書を買って1ヵ月の間ファミレスに通い勉強しました。
ほぼ遊び人からの転職で無職状態でしたが、一日4,5時間位の勉強時間です。
結果、理論だけは合格しました。
初年度の反省としては、電験の難易度と範囲の広さを把握しておらず、全く時間が足りませんでした。
0からスタートで勉強時間が1ヵ月だけでは、4科目受かるのはかなり難しいと思います。
時間のなさに焦るあまり、基礎が出来てないままに問題にとりかかり、頭に残らず、復習する時間も取れないという悪循環におちいりました。
参考書選びも大失敗で、4科目が一冊に纏まったタイプの参考書は広く浅くの内容のため、説明が足りなかったり、重要なポイントをさらりと説明していたりするので、電験の全貌を把握するには有効かもしれませんが、合格の為には少し遠回りかもしれません。
完全マスターシリーズ
2年目の受験では完全マスターシリーズを揃えて勉強しました。
完全マスターシリーズはその名の通り、完全に範囲をカバーしており、理解するための説明は一番詳しい参考書だと思います。信頼の参考書です。
ただし分厚い。
電力機械は特に萎える程分厚いです。
この参考書を理解すれば合格は間違いないですが、合格だけを目指すのであれば、完全マスターシリーズを全て理解するのは少し過剰かも。
これだけシリーズ
説明が分かりやすい。完全マスターシリーズは完全な理解を進めるため、説明が少々難しかったりするため、機械の勉強中全然前に進めなくなってしまいました。
そのため、僕は機械だけはこれだけシリーズを購入して、こちらをメインに勉強しました。
完全マスターよりも易しい教え方で説明してくれています。
電気の全くの初心者は「これだけシリーズ」の方がオススメです。
合格の為には、全科目「これだけシリーズ」でも問題ないと思います。
全範囲理解して絶対に合格するという気合いに満ちている人、電験2種進む予定の方は「完全マスターシリーズ」で勉強するとよいと思います。
「完全マスター」は必要なことは大体網羅されているので、不明点の検索にも便利です。
オススメの過去問
通称「タウンページ」と呼ばれる電験3種受験の定番。
左ページに出問、右ページに解答解説構成になっており、非常に使いやすい。
大きいので使いやすく、集中しやすいです。
解答解説の記載場所というのは非常に重要で、良くあるパターンの一番最後解答が分かれて記載があるものだと、都度探すのが非常に手間です。
問題直下に記載があるパターンだと、問題を読んでるタイミングで解答番号が目に入ってしまいがちで、問題を解く際は「解答を見ないようにしながら解答をノートで隠す」という無駄に難易度が高い事をする必要があります。
この過去問であれば、右側にノートを置いておくだけで、見たい時にすぐ見れる。
効率的です。
電験3種の良質な参考書を選んだら勉強あるのみ
信頼出来る参考書を選んだら、勉強あるのみです。
電験3種での必要な参考書は、科目ごとに分かれた参考書4冊。
過去問一冊。
これだけで大丈夫です。
電気、物理の基礎が一切ない場合は、高校物理の教科書を引っ張り出しましょう。
電験3種に必要なのは繰り返し
勉強に必要なのは繰り返しです。
東大主席で卒業した山口真由さんの7回読み勉強法は非常に為になるので、事前にサラリと一読しておくと、勉強の進め方が明確になります。
一度の学習で頭に入ってしまう項目もあれば、10回繰り返さないと頭に入らない項目もあり、人それぞれ覚え辛い項目は違うかと思いますが、「全く頭に入らん!」と思った事も、案外3回目の繰り返しの時には頭の中で整理され、長期記憶に変換されていたりします。
電験の試験は範囲が膨大なので、一旦長期記憶に収まったかと思いきや、広範囲の勉強の中で覚えたはずのものを忘れてしまう事は多々ありますが、その度に「ちくしょう!」と改めて読み込みましょう。
その繰り返しで二度と忘れない記憶に移っていきます。
電験3種の科目ごとの参考書の使い方
科目ごとに出題の仕方も変わるので、参考書の使い方も分ける必要があります。
大まかに分けると2パターン。
計算中心の理論、機械。
暗記中心の電力、法規。
電力は暗記と計算が半々ではありますが(年度にもよる)、暗記するだけで回答できる範囲が多いので、暗記系に振り分けます。
電力の計算問題はパターンが決まっており、そこまで難易度が高い問題は出ない印象です。
理論と機械
この2科目が電験の要と言えるかもしれません。
計算問題が殆どです。
第一段階。全貌の把握
まず勉強開始したら、参考書をさらりと一通り読みましょう。
目的は範囲の全貌の把握。
試験日迄にどのくらいの範囲を勉強すべきかイメージしておくことは、モチベーションを保つ上でも重要です。
ここで全てを理解する必要はありません。
第二段階。理解を進める
自分のやり方ですが、参考書を読み込んで、理解が深まってきたら参考書に載っている例題や問題を解いていきます。
試験へ向けての知識のベースを作っていく作業です。
好みにもよりますが、この時点で過去問中心に解いてみて、不明点を参考書で調べてみる方法で進めていくのもよいかと思います。
この第二段階が一科目辺り1ヶ月半から2ヵ月はかかると思います。
第三段階。問題を解きまくる
範囲が全体的に身体に染み渡ってきたら、過去問を解きまくりましょう。
参考書は過去問の解答解説では不十分な部分を確認する為のものとして、脇に置いておきます。
理想を言えば、過去問を解きまくる第三段階に入る時点で試験日迄丸々2ヵ月は欲しいです。
電力と法規
暗記中心の電力と法規は参考書中心に繰り返し読みまくりましょう。
第一段階。全貌の把握
理論と機械と同様、一度さらりと一通り読み、全貌を把握しましょう。
第二段階。参考書を読みまくる
ノートを出して計算出来ない通勤列車の中では、電力と法規を勉強する。と決めてしまい、参考書を読み込む。
次の日は昨日読んだ部分を復習する。
一度読んだ部分を再度読んでみると、きっと理解が早くなっており、半分くらいの時間で読み終わるはずです。
復習迄の時間が開きすぎると、再度理解する時間がかかるので、復習は早い方が有効です。
復習する中で覚え辛い項目のページには付箋を貼り、翌日以降はまず最初に付箋の部分を読み頭に入れる。
毎回最初に頭に入り辛い部分の復習から入ると、必然的に繰り返す事になるので、いつの間にか頭に収まってくれるはずです。
頭にバッチリ食い込んだ項目の付箋は剥がしてしまいましょう。
第三段階。過去問を解きまくる
過去問を解きまくり、間違えた部分、少しでも知識に不安を覚える部分はまた参考書に立ち返り、分野ごと復習しましょう。
電力については、暗記だけでなく計算問題も少なくないので、計算問題は電車では出来ないので、理論と機械同様に机で解きましょう。
過去問は何年分解くべきか
はっきりと何年分解けば合格するというデータなんてありませんが、最低でも3年分は同じ問題が出たときにはサラっと解ける程度には準備をしておくべきです。
理想は10年分程度かもしれませんが、5年分解答出来る状態であれば合格は問題ないと思います。
僕は結局3年分程度しか解く時間がありませんでしたが合格できました。
電験3種合格へのまとめ
電験に合格する為には、自分に合った信頼出来る参考書を繰り返し読み、過去問を繰り返し、確実に頭に解答の為の知識を刷り込んでいくしかありません。
範囲が広大過ぎて、覚えたはずの知識が他の科目を勉強する間に抜けていってしまうのも電験の辛い所ではあります。
繰り返し読み込んで自信のある分野であっても、問題として解いてみると、アレッナンダッケ!状態になってしまうことは多々あることです。
そんなときは、過去問の解説を読み込み、再び参考書に立ち返り、対応するページを読み込み、頭に入れたはずの知識と問題を解答するために必要な考え方のすり合わせをして、同様の出題があったときの為に、解答の道程の思考回路を作っておきましょう。
今回僕が紹介した参考書が肌に合ったのであれば、繰り返して繰り返して繰り返しましょう!
僕は今回紹介した参考書の使い方で短期間にその他様々な資格を取得しています。
以上、電験3種に合格するためのオススメの参考書の紹介。参考書はどう使う?でした。