手作りで木製内窓を作ってみました。
ポリカーボネートを二重で入れたので、既存の窓と合わせてトリプル窓です。
単板アルミサッシという最低ランクの窓に加えて出窓という、温熱環境にマイナスの塊の窓を、木製内窓でオシャレに変えてしまったわけです。
木製内窓をごまかし無しで本気で作ろうと思ったら中々の難易度でした。
木製内窓で変わった温熱環境
2月の終わり。
窓を少し開けます。
サーモグラフィはこんな様子。
開けた部分と内窓部分が8℃も温度差があります。
内窓部分は壁とほぼ変わりませんね!
素晴らしい断熱性能です!
木製内窓の材料
24mm厚の幅240mmの板と、枠用の24mm✕45mmの角材4本。
杉材で揃えました。
これに910✕1820mmのポリカーボネート2枚。
材料費は約1万円。
材料費は安いですが、電動工具が揃ってないと難しいです。
材料費は丁度1万円程度ですが、正直言いますと今回多用したトリマーはこのために買ったようなものなので、4万程度かかってしまいました。
手に入れたばかりのハイコーキのトリマー。
贅沢に充電式を買ってしまったので中々高いです。
さらに充電池も必要です。
コード式ならマキタのものでも結構安いです。
トリマーガイドはハイコーキ純正が見当たらないのでBOSCHのものを購入。
作業時間
約15時間
内窓外枠を作る
板を3等分します。
79mm幅でカットしましたが。80mmの角材があればその方が楽ですね。
窓の開口ピッタリに長さをカット。
上下の枠にはレールを掘るので、縦枠勝ちにしました。
外枠への溝掘り
障子と同じような構造にしようと思うので、トリマーで溝を掘ります。
ちなみに、障子用の敷居と鴨居をホームセンターで買えば事足ります。その方が断然楽です。
溝の幅、深さは自分で考えると失敗しそうなので、自宅の障子のレールと同じにしました。
上枠:幅21mm 深さ15mm
下枠:幅21mm 深さ5mm
ハイコーキのトリマーは音は小さめらしいですが、近所迷惑になりそうな音がします。
トリマーの刃は12mmのものしか持ってないので、2回に分けて21mmを削ります。
深さ15mmも一度で削るとトリマーへの負荷が大きいので、5mmずつ削りました。
幅21mm深さ15mmの溝を作るには、トリマーで6回削るわけです。結構大変。
トリマーガイドは中央部分に隙間があるため、切り始めと切り終わりのときにガクンとブレて線がブレるので、ガイドに木材を取付ました。
恐ろしい木屑の量。
ということで外枠が完成しました。
内枠のサイズ
縦のサイズ
上枠と下枠の内側の距離に、溝に挿し込む分を追加すれば良いですね。
余裕を2mmくらいみればよいかな。と適当にサイズを決めたら最後入らなくて絶望しました。
上枠と下枠の距離+15mm-3mm〜5mm程度で上手くいくと思いますが、精度によりますね。
横のサイズ
左右の枠の内側の距離+木枠幅の半分の22.5mm(45mmの木材の場合)にすれば、中央の枠がピッタリ重なります。
でも、僕は失敗しました。距離を測り間違えていたんです。
内枠の作成
窓の内枠は4辺を直角に接合して四角い枠を作る必要がありますが、難易度が高いホゾなどを作ろうとしても、僕のような素人ではきっと精度が低くて上手くいかない気がします。
ということで、トリマーを使えば少し難易度が低そうな相欠き継ぎにすることにしました。
といってもそれなりに難しい。
上級者は手ノコや丸ノコの方が早いと思いますが、自分は自信がありません。
トリマーの刃を12mmに設定
端っこから削っていくので、一発目のためにガイド用の木材もトリマーで少し削ってみました。
トリマーで半分削る
端から削っていきます。窓枠用木材が8本あるので16回。
少しづつ少しづつ。
徐々に攻めていって、45mm削ります。
45mmまでいくとこうなります。
イイですね!
ポリカーボネートを2枚入れる都合上、ポリカを挿し込むレールをピッタリ結構な精度で合わせないといけないので、後でノミで調整します。
ここまできました。
ここまでで約6時間。
上下の内枠を削る
外枠に作った溝の幅が21mm。
内枠の木材の幅が24mm。
ということで、5mmほど削っていきます。
下枠は溝の深さが5mmなので6mm程。
継ぐ場所はこんな様子。
上枠は溝の深さが15mmなので15mm削ります。
木製引違い窓って結構大変。
ポリカ用の溝を掘る
4mmのポリカプラダンを挿す溝の幅を4mmにしてはいけません!
ギッチギチになるので、4辺はめ込むのは相当難儀します。
5mm以上にしましょう。
24mm厚さの枠なので、トリマー刃の中央が8mmの位置に溝掘り。
深さは5mmにしました。
枠を組み合わせた部分でも溝の位置を合わせる為です。
トリマーは一瞬でも気を抜くといらないところを削ってしまいます。
内枠の微調整
やはりオジサンのDIYなので、接合部をトリマーできっちり作ったつもりでも、ポリカ用のレールは合いません。
接合部分をノミで微調整。
この微調整を接合部8箇所やるだけで2時間かかりました。
レールが合いました。
ポリカーボネートのカット
ポリカーボネートは910mm×1820mmでホームセンターで購入出来ます。
5mm深さのレールを作っているので、内枠の内側距離+10mmー2mm位でカットします。
そのまま取りつけると、ポリカーボネートの空気層部分に木屑が入りまくって永久に取れなくなってしまったので、はめる前にテープで塞いだ方がよいです。
内枠にポリカを入れる
内窓の接合部に木工用ボンド塗っていよいよ組み立てます。
4辺がバラバラの状態からポリカーボネートを2枚入れつつ歪まないように組み立てる。というのは思って以上に大変です。
裏側からタッカーや仮釘で固定してから進めた方が良かった。
1枚作るのに30分以上格闘しながらなんとか形になりました。
ボンドだけでくっつけるので3時間程クランプで圧着しました。
外枠の取付
まずは縦枠をビス固定。
最後に木が割れてしまわないように、下穴をあけてから。
上枠も3点でビス止め。
下枠はギチギチのピッタリサイズになったのでビス無しに。
それが最後内枠の中央がズレる結果に繋がってしまいました。
あとは窓を挿し込むだけなのに
最後の最後に窓がはまりません。地獄。
窓を削るしかないと思っていたそのとき、私は閃きました。
固定してない下枠をズラして、窓を挿した状態で下枠を戻そうと。
コンコンと窓が挿さるところまで外して。
スコスコと戻していく。
完成!
真ん中の枠はピッタリ合わさる計算でしたが、横幅の計算を間違えていたためズレてしまいました。トホホ。
最後に引違い窓の弱点の窓同士の隙間をモヘアのスキマテープで対策しました。
ほぼ完璧にスキマは埋まりました。
完成後記
木製内窓取付以前は2度という、人間が生活している家とは考えられない室温を叩き出していた窓際でした。
木製内窓設置後は夜明け前無暖房で10度と、大きく改善しました。
どちらも12月の記録です。
出窓って温熱環境にも構造的にもマイナスしかないので、いつか普通の窓に交換する予定で自分で作った適当な窓にしようと取付けた今回の木製内窓。
作ってみると本気になってしまい中々大変で、窓に愛情を感じるようになってしまいました。
全部杉で作ってみましたが、木製内窓って結構いいです。
以上、『木枠とポリカプラダンで本気の二重窓を作るDIY』でした。