貧弱な中古住宅を購入してしまったため、床断熱を圧倒的に強化することを決意。
前回根太間へ42mmのグラスウールボードの断熱材を充填しました。
今回は、42mmに加えて80mmのグラスウールボードを取付けます。
合わせて12センチという、断熱等級6レベルの床にしてやるのです。
端材も隙間に詰め込んで活用できます。
床下断熱の準備
•断熱材
•作業用ライト
過酷な環境なのでガード付きがオススメ。
•断熱材カッター
神沢さんの断熱材カッター。使いやすい。
•ツナギの作業服
•防塵マスク
余りにホコリが酷いので、防塵マスクは通常のマスクと2枚重ねで使いました。
•タッカー
•つめぴたッ
使用した断熱材
前回に引き続き、アクリアのグラスウールボードを使います。
アクリアUボードピンレスという製品は、片面に不織布が付いていて、新築の場合は大引きの上部に不織布を留めて固定するのですが、床下からの取付でも不織布を利用してタッカー留めします。
我が家の大引き間のサイズは780mmから810mmだったので、幅820mm×長さ1820mmのサイズを購入しました。
長さ910の製品もありましたが、少し高かったのと、長い方が必要な長さをカットしやすく、端材は出にくいので1820に。
床面積分購入したら1部屋死にました。
我が家の間取り
45平米。
小さい古臭い間取り。
床下に持ち込む断熱材のサイズ
1820mmを910mmにカットして持って行ってみましたが、大引きが820mm幅ほどで、床束も同じ幅のため、床下でグラスウールを持って動くことが困難で、全く進まなくなってしまいました。
更に半分にカットして455mmを基本にして、それなりにスムーズに進むようになりました。
大きくても700mm程度でないと難しいですね。
グラスウールは幅が+10mm程度であれば押し込むと入ります。
が、グラスウールボードはそれなりの弾力がありますので、浮く原因にもなります。
ある程度曲げても元の形に戻ってくれるのがグラスウールの良いところですが、特に、点検口から持ち込むときに大きく折り曲げると少しクセが残ってしまって少し浮きやすいかも。
浮いてしまうと直接外気が侵入してしまうので極力隙間がないように頑張ります。
ピッタリにカットしようとして隙間が開くのも困るので、浮き対策で金具や木材を打つことにしました。
床下の作業
非常に困難ではありますが、作業はシンプルです。
断熱材を押し込むだけなので。
事前準備
断熱材のサイズを事前に調査して、ピッタリにカット。
隙間が開かないように数ミリ大きくしましたが。
時にはこんな細かい加工をして持ち込みます。
そして床下点検口から侵入します。
床下で動き回ると土ぼこりが室内に撒き散らされて大奥様から睨まれるので、断熱材を床下に入れて点検口の蓋は閉じます。
断熱材を運ぶ
工具と伴に目的地まで持って行きます。
実はこの作業が1番困難です。
配管を乗り越え、這いずり回りながら断熱材を可能な限り沢山持って行きます。
身長が180センチありますので、本当にしんどい。
身体を回せない。
床がホコリだらけなので、床に引きずると断熱材が一瞬で土まみれになるので、持ち上げながら目的地に持っていく。
押し込んでタッカー留め
隙間が出来ないように詰めてタッカーで留めます。
落下防止、垂れ止め
経年で断熱材が落下しないように、中央部に断熱材用の留め金具を取付けました。
この金具に90mmのビスで80mmの断熱材を固定します。
ビスは根太に打ちます。
100個入りを購入しましたが、終盤足りなくなってしまったので木の端材を使用しましたが、グラスウールボードだと面積が大きいぶん端材の方が安定しますね。
タッカーとインパクトとつめぴたとメジャーとカッターとを床下に持ち込んでの作業だったので、この工具バッグがめちゃ役に立ちました。
電工道具を片付けるために買ったのですが、床下作業にピッタリ過ぎて感動。
過酷な洗面所
洗面所は家の中でも非常に寒い一角なので、ここだけは厚さ100mmの断熱材を使用することにしました。
しかしながら、洗面所は洗濯機の配管が邪魔していて侵入困難なため後回しにしていたため根太間断熱も出来ていない。
断熱材は垂れ下がり、外気が直接床板に当たっている悲惨な状態。
侵入します。
ギリギリです。
コンクリートに頭をこすりつけながら侵入が成功しました。
気流止め
厚めの45Lのポリ袋を持ち込み、垂れ下がって役に立たない古い断熱材の外装を取って3つ折り程度で袋に入れ、圧縮して空気を抜き、壁の隙間に押し込みます。
写真の状態から壁の中に全部押し込み、壁の中で極力拡げてビニールを破き、グラスウールが膨らむと、壁内部を上昇する外気を遮断できて家が暖かくなります。
こういうのを作ります。
侵入が困難なので、現地で作業しましたが、ヒッチャカメッチャカです。
古い断熱材は全部壁の隙間に消えました。
根太間断熱
根太間に断熱材を入れていきます。
新旧で断熱材の密度が全く違います。
アクリアUボードNTは根太にピッタリはまって落ちそうにありません。
大引き間断熱
10センチ厚の断熱材は床下での取回しも困難を極めますが、なんとか完遂しました。
給湯配管が無断熱
何故だろうか。給湯配管が無断熱でした。
給水は断熱材が巻かれているのに。
使用されているのは、ブリゾールチューブという銅管に数ミリの発泡層がある配管のようですが、今後洗面所の床下に潜ることもないと思うので、ガッチリ保温しておきました。
更に増強。
給湯は給湯器から蛇口の間は必ず冷たくなってしまうので、お湯が早く出る訳ではありませんが、給湯の温度が上がる分少し省エネになるはずです。
保温材は1メートル300円しない程度。
床下への入口を作る
キッチンの床下点検口から出入りするとホコリがひどくて自由に出入り出来ないので、もう一つ出入り口を作りました。
階段下のスペースです。
なんと無断熱。
古めの中古住宅だとほとんどの家が無断熱かもしれませんが、ここが無断熱だと外気が直接当たるのでめちゃんこ寒くなります。
一旦ここを侵入口として、最後に断熱しました。
床下断熱の完成
床下に潜ること15回ほどでしょうか。
ようやく作業が終わりました。
リビング
和室
洗面所
トイレ
苦行でした。
ホコリにまみれ、中学以来出ていなかった喘息が潜る度に出ました。
何度も諦めそうになりましたが、大量に買ってしまった断熱材があったのでやらざるを得ませんでした。
断熱前後の変化
断熱前
スタイロ畳のみで床下は断熱なし。
断熱後
122mm増強後。
断熱後記
安い中古物件を手に入れ、断熱性能の低さに愕然とし、男一人努力を重ねて断熱性能を上げることに邁進してまいりましたが、床下の断熱作業は他の作業に比べて格段に難易度が高く、しんどい作業の連続でした。
身体の自由がきかない床下で、ホコリにまみれ、体調を悪くしながらの作業は苦行で、二度と同じ作業は行いたくないという気持ちと、努力の末の結果の暖かい部屋での生活の喜びを感じています。
床下断熱に比べてると天井断熱は動きやすく、難易度は低かったです。
以上、『床断熱のDIY。大引き間にグラスウールを入れて12センチに。』でした。