こんばんは。エネルギー管理士のイチカワです。
暖房器具には多々種類がありますが、それぞれに性能の特徴があります。
代表的な暖房器具の部屋が暖まるスピードや加湿機能について解説しました。
特徴を考慮しつつ、自室に最適な暖房器具を選びましょう。
ガスファンヒーター
ガスファンヒーターはガスを燃やして温風を作る訳ですが、部屋全体の温度を上げるスピードがピカイチ。
そのうえ同時に自動的に加湿されるため湿度も快適です。
加湿の仕組みは以下の化学式の通り、ガスの燃焼で水が生まれるからです。
CH4+2O2=CO2+2H2O
メタン+酸素=二酸化炭素+水
2月の雪が降った日にガスファンヒーターで部屋を暖めると、1〜2時間程度でこんなに快適な室内環境になります。
難しいことを考えずにスイッチオンでこの完璧な空気環境が実現できます。
湿度の高い温風は直接浴び続けてもストレスにならないのもオススメポイント。
更に石油ストーブと違って燃料補給の必要がない。
温度が高い部分が露出していないので火傷の心配がほとんどない。
デメリットは空気中に二酸化炭素が増えることと、ガスコンセントが必要なこと。
換気しながら使う必要があるので、効率が少し悪いです。
CO2は1000ppmを超えるとあまりよろしくないですが、使っているとすぐに超えると思います。
プロパンガスだと光熱費がとても高くなります。

エアコン
暖房と冷房を兼ね備える文明の利器。
ヒートポンプなので熱効率も最高なので電気代も実は一番安い。
さらに空気を一切汚さない。
壁掛け式なので邪魔にもならないため利便性は最強。
加湿能力が無いため湿度が下がってしまうのは難点。
加湿器を併用しよう。
ちなみに冬に湿度が下がるのはエアコンが勝手に除湿している訳ではない。
空気中に存在する水分量は変わらないが、温度上昇により空気中に存在出来る水分量が増加するため、相対的に湿度が下がる。
絶対湿度は変化しないが相対湿度がさがる。

温度の上昇と共に湿度が下がる

オイルヒーター
輻射熱で暖めるオイルヒーター。
無風で部屋全体が暖まるので非常に快適な部屋が作れる。
火を一切使わないので安全性は随一。
子育て中にはオイルヒーターかガスファンヒーターが適している。
部屋全体が暖まる迄に2時間程度は掛かるのはデメリットの一つ。
スイッチを入れてから本体が暖まるまで相当時間がかかるので、故障と勘違いしてしまうことも。
1200kw〜1500kwの電気量を使うので電気代が結構掛かるのがネック。
一般家庭では2000kwを超えるとブレーカーが飛ぶので、コンセントの系統でどんな電化製品を使うかを考えないとすぐにブレーカーが飛ぶ。
「乾燥しにくい」という噂はあるが、加湿機能は皆無なので湿度の状態はエアコンと同じ。
風が当たらないので皮膚表面の水分が気化しないという程度。
こたつ
局所的に温度を上げる省エネ暖房器具の代表格。
居心地の良さと快適性は歴史が証明している。
閉空間のみを暖め、こたつ布団という断熱材で取り囲むことで熱を逃がさないため、エネルギー効率は暖房器具内最高。
頭寒足熱を努力無しで実現出来るので健康的。
こたつ内は自らの汗で加湿される。
一度入るとそこから動けなくなるのが最大のネック。
夏期は通常のテーブルとして使えるデザイン性の高いものを選ぶと置き場所に困らない。
こちらはフラットヒーターなので、コタツで寝返りをうっても引っ掛かりにくい。
布団をかけるだけでどこでもコタツが作れる機動性抜群の一人用こたつもオススメ。
堕落した人間にならないように気を付ける必要がある。
石油ファンヒーター
部屋が丸ごと暖まる。
ガスファンヒーターと同じく、燃焼時の化学反応で水分が発生するので自動的に加湿される。
湿度の高い柔らかい風で長時間あたっていてもストレスがない。
価格も安いので極めて有能な暖房器具。
デメリットは灯油を買う、灯油を補給する必要があるところ。
空気も汚れてしまう。
どうせならガスコンセントを作ってガスファンヒーターを購入した方が利便性が雲泥の差。
ガスコンセントは12000円位で2時間程度で作れる。
セラミックファンヒーター
応答性が良くコンセントさえあれば使える利便性はピカイチ。
基本的には局所的に暖めるものなので、部屋全体を暖めるのには向かない。
電気量≒熱量なので、電気代はそれなりに掛かってしまう。
洗面所、トイレで一時的に使うには最高。
近年は加湿器付きのものも。
温風に加湿を乗せることで超効率的に加湿出来るのは素晴らしい。
ハロゲンヒーター
指向性が強く、光が当たる部分のみが暖まるものなので、家族で暖を取るには場所取り合戦が始まる可能性も。
ハロゲンランプが明るいので眩しさが邪魔に人もいる。
電気代が電気ストーブよりも高め。
電気ストーブ(カーボンヒーター)
電熱線に電気が流れて発熱する。
熱の指向性は強めで部屋全体は暖まらない。
火傷の危険が高いので育児中には使用しない方がよい。
構造的にオーブントースターと変わらないので、食パンになった気分を味わえる可能性も。
番外編 加湿器
実は湿度は体感温度を大きく変化する。
室温24度 湿度60%のとき 体感温度23.0度
(ミスナールの計算式で算出)
暖房器具と併用すると加湿がのりやすい。
温度が高い方が相対湿度が下がって、水分の入るスペースが増えるのが理由。
超音波式や気化式よりも蒸気式が圧倒的に湿度がのりやすい。
やはり象印の給湯ポットをぶった切ったようなかわいい加湿器が最もオススメ。

象印の加湿器は能力が高すぎるので、窓が単板の場合相当結露する。
内窓を付ける等の対策がオススメ。

湿度は40%~70%の間が人間が快適に感じると言われています。
暖房器具の特徴まとめ
代表的な暖房器具の特徴を列挙しましたが、部屋全体を暖めるならエアコン。
局所的に暖めるならばコタツ。
が空気環境、利便性、省エネ性の面でオススメできます。
ガスファンヒーターは湿度がガンガン上がるので、妻がガスファンヒーターじゃないとイヤと言って愛用しています。
実際とても快適です。
が、CO2濃度が必ず高くなるので、エアコン+加湿器が一番です。
家自体の断熱性能を上げることで、暖房効率や湿度環境も向上出来ます。
中古住宅でもDIYで断熱性能を向上出来るので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

以上、『暖房器具の比較。暖房効率が高い湿度も調整できるオススメの暖房器具は?』でした。