暖かい家に住みたい。
断熱性能が貧弱な中古住宅を購入してしまった自分にもそんな気持ちがあります。
床は熱の出入りは大きくはないですが、必ず直接皮膚が触れるため影響が大きい部分です。
前回天井断熱を5センチから25.5センチに増強し、多大な効果を実感。
天井に続いて床の断熱を増強してみましたが、築30年に迫るホコリの積もった床下に潜り込み、作業着は毎度土埃まみれ、床下の作業は天井断熱に比べて非常に骨が折れました。
我が家の床下の断熱状況
酷い有り様です。
ペラッペラのグラスウールの断熱材が所々落ちてしまっており、落ちていない部分でもグラスウールが垂れてしまっており、断熱材が全然効いていません。
絶望的な状況です。
既存の断熱材を活かす選択もあるかもしれませんが、全部撤去して入れ替えてやります。
断熱計画
最新の高性能住宅にも負けない断熱性能を出すことを目標にします。
根太間42mm、大引き間80mmの合計122mm。12センチの断熱層を床下に作る計画です。
壮大な計画です。
素人ソロDIYで完遂出来るのでしょうか。果たして。
作業に必要なものは
•断熱材
•作業用ライト
過酷な環境なのでガード付きがオススメ。
•断熱材カッター
神沢さんの断熱材カッター。使いやすい。
•ツナギの作業服
•防塵マスク
余りにホコリが酷いので、防塵マスクは通常のマスクと2枚重ねで使いました。
根太間に使用した断熱材
根太というのは30.3mmごとに床材の下地として施工されています。
根太は40mm幅の木材が使われるのが一般的なので、根太と根太の間は263mmです。
根太間の断熱材は専用品が多々ありますが、自分はグラスウール製を選びました。
天井断熱でアクリアネクストを使用して使い心地が良かったことと、グラスウールは柔らかいので多少の歪みにも追従性があり、隙間が生まれにくいと考えたからです。
耐火性と、再生可能で環境に優しいのも選んだ理由です。
天井断熱と同様にアクリアネクストのグラスウールボードを選びました。
アクリアUボードNTという製品です。
アウンワークスは建材の個人宅配送も日付指定が出来る上安いので、大物の断熱材の購入にとても便利です。
4パック買うと圧迫感があります。
1パック辺り3坪分です。
アクリアUボードNTの性能
アクリアUボードNTは42mm厚で熱抵抗値が1.2㎡・K/Wなので、熱貫流率U値に換算すると0.83W/m²・Kです。
なのでここに更に80mmのグラスウールを重ねます。
合計122mmで床の熱貫流率は0.294W/m²・Kになります。
既存の断熱材を撤去
潜り込んで既存の断熱材を抜いてきます。
古い断熱材はホコリが立ちやすく、点検口を開けっ放しで作業していたら部屋中にホコリが積もってしまいました。
鼻の穴も真っ黒になります。
撤去してきた約30年前のグラスウールと取付予定のアクリアUボードNTの比較です。
密度も厚みも全く違いますね。すごい進化です。
気流止め
撤去してきた断熱材を廃棄するのも勿体ないので、気流止めとして使います。
古い在来工法の家が寒い要因の1つです。
煙突効果を防ぐために空気の出入り口を塞ぐことを『気流止め』といいます。
防水紙を剥がします。
3つ折程度にして袋に入れます。
床と壁の取り合い部分の隙間へ
袋から空気を抜いてペタンコに圧縮した断熱材を
突っ込みます。
すっぽり全部入ったら、隙間内で極力拡げ、ビニールを一部カットすると壁内部で断熱材が膨らんで気流を止めてくれるわけです。
床下からの気流止めは非常に難易度が高いので、完璧に気流を止めることは難しいかもしれませんが、可能な限り仕込んでいきます。
こちらは天井側の気流止め作業の様子。
アクリアUボードNTの取付
あとはサイズに合わせてカットして、根太にハメていくだけです。
断熱材用カッターでカットします。
こちらのカッターを重用していますが、とても使いやすいです。
グラスウールボードを点検口から入れます。
大引(根太と直角に走る太い角材)との隙間にはグイグイ突っ込んで極力長いままで取付を進めます。
グラスウールボードは気流止めに隙間があっても、根太間の断熱材がしっかり入っていれば隙間はほぼ無くなるので、気流はおおよそ止められそうです。
和室の床下断熱
和室の床下はなんと元々断熱材が入っていませんでした。
和室の畳はスタイロ畳(スタイロフォームが中に入っている断熱畳)が使われていたので、畳で断熱する設計のようです。
和室は畳を上げると床下直結の隙間があるかもしれません。
我が家は隙間だらけで、隙間を塞ぐだけで3割程暖房費が減りました。
断熱性能の前に気密性能を上げる必要があります。
根太間の距離が違う!
和室の根太間も当然他と同じであろうと思い込んで、まとめて根太間用263mmのグラスウールボードを購入していましたが、根太間の距離が320mmでした。
畳自体にも強度があるので根太の間隔が広くされることがあるそうです。
長尺のグラスウールを320mmにカットして詰めていきました。
ホコリが舞い散る苦行
何が辛いって、やはりホコリであります。
点検口を開けていると、暖かい室内と寒い床下の間で上昇気流が生まれて、ホコリを吸い上げていくようです。
点検口を閉めていても、作業着がホコリまみれなので結局室内が汚れていきます。
点検口がキッチンなので、見る見るうちに奥様の表情が曇っていきます。
古い断熱材の撤去時が最も尋常ではないホコリが発生しました。
私自身も、作業後は中学生の頃には治まっていた喘息が発症するなど、苦しい作業の連続であります。
根太間断熱の完成
いががでしょうか。
美しい床下に一変しました。
ここから更に80mmを追加していきます。
部屋が1つ死にました。
断熱は止まらない。