DIYで作った太陽光発電を売電申請する方法とは。書類申請一式のご紹介。
せっかく太陽光発電をDIYで作り上げるなら、売電したいもの。
東京電力と連系して、余った電力は売り、足りない電力は買う。という状態を作ることで夜間発電しない時間帯にも自由に電気を使える訳です。
太陽光発電設備で発電した電力を売電するには東京電力パワーグリッドと受給契約をしなければなりません。
固定買取制度を利用するなら経済産業局への届出も必要。
一般家庭で発電する「低圧工事10kw未満」区分の連系の申請には3ヶ月程度は掛かるので、工事が終わる前に申請する事をオススメします。
ということで、本記事では個人のDIYで取付けた太陽光発電を売電するための申請の流れをご紹介します。
僕は東京電力との受給契約のため、その他の区域の方は各々の電力会社のホームページなどを参考にお願いします。
あまり変わりはないはず。
東京電力パワーグリッドの公式サイトで売電迄の流れは図解付きで解説されているので、この記事はDIYの場合の疑問を解決する補足程度に捉えていただけると幸いです。
低圧工事のお申込み|FIT法改正|東京電力パワーグリッド株式会社
東京電力パワーグリッド「低圧工事のお申込み」ページ。東京電力パワーグリッド株式会社は、経済・産業の中心である首都圏エリアで、送配電ネットワークを活用し、電力の供給等を行う送配電事業会社です。
売電を開始した後の電気料金の減少と、売電料金についてはこちらをご覧下さい。
最も日射の強い8月で昨年比6000円程電気代が浮きました。
4kwの太陽光発電システムで電気代はどれくらい安くなったのか。売電料金はいくら?
DIYで付けた太陽光パネルで家計はどう変わったのか。 昼間の電気代はほぼゼロに。
売買までの大まかな流れ
- 東京電力パワーグリッド等の電力会社へ接続契約申請
- 経済産業局へ再生可能エネルギーの電子申請
- 電力会社へ特定契約申請(FITでの買取)
- 太陽光発電設備が完成したら落成連絡
- 売電開始!
という流れで進んでいきます。
以下でそれぞれの手続きを細かく解説していきます。
受給契約申込受付サービスの利用申請
売電するためには、東京電力パワーグリッドへ受給契約の申込みをするわけですが、現在は「受給契約申込受付サービス」というweb申請で行います。
そして、受給契約申込受付サービスの利用には、最初に利用申請をする必要があります。
受給契約申込受付サービスの利用申請|FIT法改正|東京電力パワーグリッド株式会社
受給契約申込受付サービスの利用申請
まずは上記のサイトから仮登録をします。
仮登録をすると、仮のログインIDとパスワードが送られてきます。
その仮のIDを使ってログインして、正式なIDとパスワードを登録するという流れです。
受給契約申込み受付サービスの利用申請時、自分でDIYで設置した場合は入力に戸惑うかと思います。
利用者区分→「その他」を選択。
電気工事店登録番号などは空欄で登録出来ます。
東京電力パワーグリッドとの接続契約申請
先程利用登録したこちらの東京電力パワーグリッドの低圧工事の申込みページで
- 『申込み』
- 『新規登録』
の順に進むと、申請情報を入力出来ます。
主に入力するのは
- 受電方式
- 住所氏名
- 売電時の振込先
- 太陽光発電設備の詳細
そのページに以下のそれなりの量の添付書類を付けます。
- 系統連系協議依頼票
- 単線結線図
- 付近図•構内図
- ELBの仕様が分かる資料
- インバータ認定証明書(パワコン)
- インバーター整定値一覧表
を添付して申請します。
結構しんどい。
インバータ認定証明書、インバーター整定値一覧表は、パワーコンディショナーの製造メーカーから貰うものです。
新品で購入する場合は最初から付いてくるのでしょうが、僕は京セラ製品の中古を購入したため困っていました。
が、勇気を振り絞って京セラ様の問い合わせフォームから依頼をしてみると、一週間程度で郵送して頂けました。
京セラ様愛しています。
電気工事店情報を記載する欄がありますが、自分で施工するため、『自身での施工』と記載し、最後の備考欄へは『発電者自身での施工の為電気工事店等の記載はありません。』と記載しました。
申請すると、すぐに東京電力パワーグリッド様から連絡を頂き、
「自身での施工であれば、電気工事士免状の写しを送付して下さい」
と言われたのでFAXで送付。
送付したものはサイト上の申請書の添付ファイル一覧に追加されたので、DIYの場合は最初から添付しても良いかもしれませんね。
2月25日に申請して、3月13日に接続契約の締結の連絡がきました。
我が家の場合、分電盤を交換し、アンペアブレーカーを撤去の申請を行っていたので時間がかかりましたが、実際は一週間程度で接続契約は完了するはずです。
接続契約が締結されると、添付ファイルの一覧に『接続契約のご案内』というファイルが追加されるので、そのファイルをもって今度は経済産業省へ申請する訳です。
経済産業局へ再生可能エネルギーの電子申請
青空に映える我が家の太陽光発電
再生可能エネルギーの電子申請ページの新規登録を行い、パスワードの設定を行うと申請ができます。東京電力パワーグリッドへの申請と大きく変わらず、入力には操作マニュアルも準備されているので、問題なく入力できるかと思います。
- 個人or法人
- 住所氏名連絡先
- 発電設備区分
- 発電出力
- 発電設備の名称(僕はイチカワ邸発電設備という名称にしました)
- 屋根設置か地上設置か
- 太陽光パネルの型式
- 余剰配線か全量配線か
- 接続契約先(東京電力パワーグリッドなど)
- 運転開始予定日
- 保守点検及び維持計画
などを入力していきます。
途中で保存出来るので、少しずつ進めましょう。
入力の注意点! ①太陽光パネルはFITに型式登録されているパネルでないと売電出来ません!
購入前にこちらのサイト内の
太陽光パネル型式登録リストに記載があるかを確認しましょう。
②保守点検及び維持管理計画
太陽光パネルは4年に1度以上の点検が必要です。
点検の内容は可能な限り具体的に255文字以内で記載する必要があります。
点検の対象は
自分の場合は『太陽光パネル、架台、ケーブルの目視点検。接続箱、目視、測定点検。pcsの目視、測定点検。開閉器、漏電遮断器の目視、動作点検。電力量計の目視点検。以上を年一度行う。』と記載しました。
少々点検頻度は過剰ですが、自宅の屋根なので。
再生可能エネルギー電子申請に必要な添付書類3つ
自宅の屋根に設置する場合、上記の記載を進めると、必要書類の添付画面に移ります。
自宅の屋根にDIYで設置する場合、以下3つの書類が必要です。
- 接続契約のご案内(電力会社からもらう)
- 不動産登記簿謄本(土地の全部事項証明書)
- 建造物所有者の同意書(屋根置きの太陽光発電のみ)
「建造物所有者の同意書=建物の登記簿謄本(建物の全部事項証明書)」
屋根置きの場合は、土地と建物それぞれの全部事項証明書を手に入れなければなりません。
家の登記情報の取得方法
登記情報を取得するには電子申請での取得が便利です。
法務局への申請は時間が掛かりますが、以下の登記情報提供サービスだと、10分でPDFの全部事項証明書が手に入ります。
登記情報提供サービス
登記情報提供サービスは,登記所が保有する登記情報をインターネットを通じてパソコン等の画面上で確認できる有料サービスです。
1通あたり334円でクレジット決済可能です。
即発行するのであれば、『一時利用』で申請しましょう。
個人利用などの申請だと、利用者登録で時間が一週間ほどかかってしまいます
再生可能エネルギーの認定
添付を済ませ、申請を行うと、『設置者承諾済』という状態になります。
経済産業省の認定までは2〜3ヶ月かかるそうです
2020年3月26日に申請を行いましたが、まだ待機中。
計画を立てたら、申請を済ませてから工事を進めた方が良いですね。
5月23日
「受付中」に変わっていたのを確認。
審査が開始しました。
6月1日認定の旨のメールを受信しました。
再生可能エネルギー電子申請サイトへログインして確認すると、『申請画面審査済み(認定)』となり、認定通知書がダウンロードできます。
経済産業省への申請は僕の場合は約2ヶ月掛かりました。
東京電力パワーグリッドへ認定通知書をアップロード
経済産業局からダウンロードした認定通知書は前回使用した東京電力パワーグリッドの『受給契約申込受付サービス』へログインし、申請中のものを選択し『修整』で入ります。
認定証明書内に記載の「設備ID」と「事業計画認定日」を入力します。
(日付の入力は20200529のように数字のみ)
最下部のファイル添付欄の「追加」ボタンを押し、14番の「事業計画認定通知書」を選択して、経済産業局より受領した認定通知書をアップロードします。
特定契約締結完了
認定通知書をアップロードして3日ほどで、東京電力パワーグリッドより特定契約締結のお知らせがメールで届きます。
併せて、受電地点特定番号も送付されました。
落成連絡から系統連系まで
落成したら落成連絡を行います。
申請画面でポチッとボタンを押すのみです。
スケジュール通り完成の目途が立っているなら、落成予定日でも大丈夫。
僕は2020年7月19日に落成連絡。
2020年7月29日に東京電力パワーグリッド様から系統連系完了通知を受領しました!
おめでたい!
太陽光発電の売電までの申請まとめ
個人がDIYで作った太陽光パネルをちゃんと売電することが出来るのか。
太陽光パネルを買ってしまってから申請開始したので出来なかったら困る。
という状況で進めておりましたが、無事系統連系して売電開始することが出来ました。
絶対必要なものは電気工事士の資格です。
電気工事士資格があれば家のDIYが楽しくなる!2種電工の合格のコツとは。
第二種電気工事さえあれば家のDIY は何でも出来るようになります。少々お金のかかる試験ですが。
是非取得してエコに省エネして節約しましょう。
普通の太陽光発電とは段違いの費用対効果を発揮するはずです。
捨てられるはずの中古のパネルで10年間固定買取で売電。
最強にエコで最高の節約です。
以上、『DIYで作った太陽光発電を売電申請する方法とは。書類申請一式のご紹介。』でした。